「思い出の土蔵を守りたい」

神河町 足立様邸

「大きなもみの木と土蔵のある家と教えてもらい、この家だとすぐにわかりました」と来訪者の方に言われるように、我が家の瓦と漆喰塗りでできた土蔵は昔から目印であり思い出深い建物です。

現在では、周りに建物が建ち、このモミの木も切り株を残すのみで、その土蔵も軒の一部が崩れた状態となりました。土蔵が造られたのは明治初期ではないかと思います。明治と昭和初期に改修した跡がありますが、早急に修理しなければならない状態でした。

吉富瓦さんのアドバイスを受け、傷みがひどい土蔵と土蔵の接する倉庫を改修してもらいました。瓦の下地に桧皮や竹、土を使用した古い構造でしたが新しく青銀色の吉富瓦を葺き、漆喰の白壁を塗り直し、土蔵の入り口横には吉富瓦の赤銅色のタイルを貼ってもらいました。陽の光を受け、キラキラ輝く瓦と白壁が田園風景に映えます。倉庫の入り口も、昔ながらの建具とよく調和しました。古い建物のため、工事には大変ご迷惑をおかけしましたが職人さん方の技により温かみの感じられる美しい仕上がりになり、大変喜んでおります。